偏差値とボリュゾ=塾選びの前提知識
「半分以下」とは、成績や塾のクラスが「半分より下」という意味です。ネットスラング的には「ボリュゾ以下」ということになりますが、その言葉はせめてタイトルにだけは使いたくなかったのよ…ということです。(あまりにもアクセス数が少なかったら…その時は「ボリュゾ」に変えてみようかな)
「ボリュゾ」という言葉の意味をAIに聞いてみました。
・「ボリュゾ」とは中学受験などの模試で偏差値50前後(およそ45〜55)の、受験生の中で最も人数が多いボリュームゾーンを指す言葉です
ついでに、ボリュゾの語源となった「ボリュームゾーン」もAIに聞いてみましょう。
・ボリュームゾーンとは「数量や人数が最も多く集中している価格帯や層」「商品やサービスが最も多く売れる価格帯や、人口・受験者などの人数が最も集中する階層を指す言葉」のことです。マーケティング用語や経済用語のひとつです
統計学の正規分布が…などという小難しいことは抜きにして、下のグラフを見てください。

偏差値50は「平均点」です。何の平均点かと言えば、ある(1回の)テストの平均点です。
そのさらに平均を取ったものが、その受験生の平均偏差値=「持ち偏差値」です。
この持ち偏差値が、受験生の実力を表している…と言われているそうです。
偏差値40から偏差値60までの人で、全体の68%を占めていますよね。
それだけ大勢いるので「ボリューム(分量)の多いゾーン(区域)」というわけです。
でも、上のAIの答えのように、実際は偏差値45~55くらいの意味で使われているようです。
つまり「ボリュゾ以下」というのは「偏差値55以下」ということになるのですが…
全体の84%にもなるのですよ。多すぎじゃないですかね。
偏差値60以上の(超)難関校を狙う人々以外は全て「ボリュゾ以下」なんですかね。
そんなことないと思いますけどねぇ…
というわけで。「ボリュゾ」や「ボリュゾ以下」というのは、実は結構あいまいな言葉だったりするのです。そこで私は「半分以下」という言葉を使うことにしました。
「平均偏差値50以下」「平均偏差値40台以下」という意味です。
「中学受験の模試で平均点が安定して取れずに苦戦している層」という意味です。
「半分以上」=平均偏差値50以上の受験生は、苦手科目の克服やミス軽減などを果たせば、さらに上の世界(偏差値60超)も見えてくる人たちです。少なくとも「基本」が出来ている人たちです。
「半分以下」=平均偏差値50以下の受験生は、基本を理解していない、計算が遅くてミスも多く、体力的にも情緒的にも不安定な人が多いゾーンです。
ちなみに、偏差値50が平均点ということは、御三家に入るような優秀な受験生だけの世界だと、非常にハイレベルになりますよね。同じ模試を受けたとして、優秀な受験生の平均点が80点で、塾全体の平均点が50点以下なんていうこともあり得るわけです。
ということは、ただの平均点=「偏差値50」という言葉にはまったく意味がないわけです。さらに言えば、高校受験などの「偏差値50」と比べることも全く意味がありません。
「どこの塾の模試の偏差値か」が重要なわけです。
中学受験の世界の場合、ネット上ではY(四谷大塚)N(日能研)の模試の偏差値が標準になっているようです。S(サピックス)は優秀層が多く、同じレベルでも他塾の模試より偏差値が低めに出てしまうので、受験生のモチベーションにも影響しがち、というのもあるかもしれません。
中学受験は「3年生3学期から3年間」が大多数
いつの頃からか、中学受験の大手塾は「3年間のカリキュラム」が普通になってしまいました。少子化とか、経営の安定とか、様々な理由があるのでしょうが、まだ小学校生活が半分終わる前から中学受験の対策を始めなければいけないことに、少なからず抵抗感をおぼえる親もいるはずです。
小3で中学受験塾に入る前の時点で、我が子の「レベル感」を理解できる親は、そんなにはいないと思います。「親の欲目」と「子どもへの無限の期待感」は凄いんですから。かく言う私(進藤レイ)自身も2人の子どもに対しては…やはり「欲目」で見てしまっていたと思いますね。そりゃあ親だもの。仕方ないですよね(笑)
そこで、私なりの「我が子のレベル感チェック法」をお伝えしたいと思います。
【1】くもんに馴染んでいる。楽しそうに2つ以上先の学年の課題に取り組んでいる
【2】漢字が得意。書くことも読むことも苦にせず、送りがななどにも丁寧に配慮できる
【3】本を読むのが好き。読むスピードもわりと早め。読んだ内容をそれなりに語れる
もし上の3つを全て満たしていたら、おそらく「半分より上」コースに行けると思います。
幼少期から何をどうしたら、3つ全て満たすような子になるんだよ…と思いますよね。
我が家では、上の子・下の子ともに同じような環境で同じような道を進みましたが、
上の子は3つ全て満たし、下の子は1つも出来ませんでした。
私自身が小学生の時は3つを全て満たしていましたが、
親は特に何もしていませんでした。
つまり、ただの「運」でした。
ですから、いま小3のお子さんがいる保護者の方は、仮に【1】【2】【3】がどれも出来ていなかったとしても、自分の子育てを後悔したりは絶対にしないでくださいね。
何度も言いますが運です。
運という言葉に語弊があるなら、個人の「発達のはやさの問題」だと考えてください。
これは生まれつきの部分もありますよね。
だからそれは仕方のないことなのです。
ただ、ここから先は、仮に中学受験の道を選ぶのであれば、結構「親の選択」が影響してきます。
まずは「塾選び」ですよね。我が子が「ハマれる」環境を手に入れることができれば、3年間で大きく伸びる可能性も十分にあるわけです。
逆に言えば、もし選んだ環境=塾が我が子にハマっていないと感じた時は、躊躇せずに別の塾に切り替えることを検討してほしいと思います。「転塾」を否定的に語る受験関係者は多いのですが、我が子に我慢を強いる必要なんて全くありません。基本的には「子どもの気持ち優先」でいいとは思いますが、親の判断で塾を変えることは全然ありです。(我が家の場合、上の子は1年ごとに4つの塾に通いましたし、下の子も3つの塾に通っていました)
「半分以上」は大手塾でOK
中学受験でいい成績が取れる子は「自己効力感」がどんどん高まっていきます。自己効力感というのは「自分ならやればできるという確信」のことです。3年間もの長い間に積み重ねた努力の対価として、世間からの評価がなるべく高い中学校=つまり偏差値の高い中学に「子ども本人が」行きたいと考えるのは自然なことです。我が家の場合、上の子はそうでしたし、かつての私自身もそうでした。
ですから、高いレベルの子が集まる大手塾で3年間、切磋琢磨する環境を与えるという「わかりやすい選択肢」を選べばいいと思います。大手塾の個性については、ネット上を検索し尽くせば色々と出てきますが、単純に実績最上位のサピックスを選べばいいという問題ではないとは思います。中学校選びと同じように、我が子に合いそうな塾を選んでいただければと思います。
我が家の場合、上の子は可愛がってもらっていた「公文式の先生」のお孫さんがサピックス→麻布中だったこともあり、猛烈にサピックスを勧められて3年生1学期から通いましたが、4年生になる前に早稲アカ(早稲田アカデミー)に転塾しました。そしてさらに転塾は続きました。塾の環境が本人に合わない状況に変化したからなのですが、これについては「塾での人間関係の悩み」で書きます。
「半分以下」が選ぶべき塾
私もかつて塾講師をしていたので分かるのですが、塾側は「最初から出来る子」と「塾に入ってから猛烈に伸びた子」が大好きです。最上位クラスの雰囲気と、最下位クラスの雰囲気は、同じ塾内でも残酷なほどに異なります。私は親として、その両方の雰囲気を体感したので…痛いほどよく分かります。
最初は目立たなかったのに「塾に入ってから猛烈に伸びた子」は、たぶん真ん中あたりのクラスから伸びてくる子です。人数は限られています。そして、一番下のクラスからは(たとえ4年生であっても)ほぼそういう子は出てきません。ネット上には、たまーにそういう武勇伝を語る親アカウントがいたりしますけどね(なるべく無視しましょう。精神衛生上よろしくないです)。
一番上のほうのクラスには、子ども同士の連帯感もあったりします。私が小学生の時の塾にもありましたし、その頃の付き合いは数十年経った今でも、少ないながらも続いていたりもします。上の子の場合もそうで、同じ中高に進んだり、大学受験予備校で再開したりしています。サピックス→筑駒・開成・桜蔭→鉄緑会→東大みたいな濃い人間関係の話も、マスメディアではよく見かける話ですよね。別にそれがいいと言うわけでもなくて、狭い世界だというだけなんですけど。
一番下のほうのクラスには秩序がありません。緊張感がありません。小学校の延長のような感覚の子も多く、集中力がありません。宿題はやってきません。授業は理解できません。板書も全部できません。おしゃべりが止まりません(そんな姿を見ると親としても涙が止まりません…)
こんな状態なのに、塾講師が「この子たちを真面目に勉強するようにさせて、行きたい学校に入れてやるぞ!」なんて頑張るはずがありませんよね。少しでも可能性を見いだせた子と、その親にだけはテコ入れするかもしれませんが。
でも本当は、塾講師としての本当の意味というのは、こういう子たちに「小さな達成感」を経験させて、それを積み重ねて「自己効力感」を高めていって、「内発的動機付け」で勉強する子をひとりでも増やすことだと思うんですけどね。少なくとも私自身は、かつてそういう塾講師だったと(自分では)思っています。(今は教えることはお休みしていますが、そのうち再開したいと考えています)
我が家の場合、下の子は3年間ずっと一番下のクラスでしたが、最後の1年間、まさにそういう先生に運良く巡り合えたのでした。塾側がその先生の力と特性を理解していて、6年生の最下位クラスの担当にしてくれていたのだと思います。我が子は6年生の11月から成績が伸びました。先生が自分を信じてくれて、「君はこのクラスの他の女の子たちとは違う。やればできる」と言ってくれたことが大きかったと後に語っていました。たぶん、他の子たちにも同じように声をかけていたんでしょうけどね(笑)
下の子が通っていたのは「中堅塾」でした。大手塾ではないけど、受験界では有名な塾がいくつかあります。そのうちの1つでした。1学年で1校舎数十人くらいでしたかね。規模は小さめでも受験実績は立派な塾でした。中堅塾だからこそ「一番下のクラス」にも配慮してくれたのだと思っています。
でも、それはやはり運だとも思います。「半分以下」の子たちの場合、集団塾では伸びない子は相当多いのではないかと思われます。「小さい塾」だと、同じクラスでもレベルの違う子が集まってしまえば、出来ない子が置いて行かれるのは必然です。
ですから、「半分以下」の場合、集団塾で選ぶなら「中堅塾」一択だと私は思いますが、経済的に余裕があるようでしたら「個別塾」という選択肢も考えてみてほしいと思います。特に女の子の場合は、フィットする先生が見つかれば飛躍的に伸びる可能性もあります。
親が我が子の勉強の面倒を見ると、どうしてもお互いに「甘え」が出てしまいますが、個別塾の先生なら甘えも出ず、我が子に最適化した方法で受験まで面倒をみてもらえる可能性があります。
ただ、そういういい個別塾が「自宅から通える範囲で」見つかるかどうかが最大の問題です。これもある意味、運なんですよね。
我が家の場合、下の子は「個別塾」が中学受験の段階では見つかりませんでした。中学入学後にいい塾が出来たんですよね。悔しかったなあ。ですから中学受験では苦戦しましたけど、中学入学後に個別塾に通い始めると、高校生になるまでにかなり成長しました。(よろしければ下のリンクから記事をお読みください)

中学受験の結果が全てではありません。
我が子に合った環境の学校を親が見つけてあげて、その6年間で成長してくれればいいのです。
「達成感を得て」「自己効力感を身につける」プロセスは中学入学後でも構いません。
そう考えて、遠回りを恐れずに、
中学受験を我が子と一緒に取り組めることを幸せなことだなと、
楽しいなと感じながら過ごしてもらいたいと思います。
そのほうが、お子さんにとっても、きっと幸せなはずですよね。
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